「その座り方、体にちょっと無理してませんか?」美脚を作るために必要な座り方とは

こんにちは!

武蔵野市の整体×トレーニングのパーソナルジム
Kaid Fit武蔵境店の千葉です!

日本人って、実は世界でもトップクラスに座りっぱなしの生活をしているって知っていましたか?

調査によると、日本人の約65.3%が、日常的に長時間座る生活をしていることが分かっています。
さらに、日本人の成人が1日に座っている平均時間は約7時間

これは世界平均の5時間を大きく上回っていて、「日本人は座りすぎ!」と言われるレベルです。

ここまで聞くと
「まあ、仕事で仕方ないよね…」
と思うかもしれません。

でも、問題はそこからです。

実は、
1日に10時間以上座っている人は、座っている時間が4時間以下の人よりも病気になるリスクが約40%も高くなる
6時間以上座っている人は、3時間未満の人より早く亡くなりやすい
というデータもあります。

……ちょっと怖くないですか?

つまり、長時間座る生活そのものが、すでに体にとってかなりの負担になっているということです。

それなのに私たちは、
「背すじを伸ばして座りなさい!」
「姿勢を正せば体にいい!」
と、ずっと言われ続けてきました。

確かに、見た目はきれいです。
姿勢が良い人って、それだけで健康的に見えますよね。

でも、ここで一つ疑問です。

その“良い姿勢”、ずっとキープできていますか?
そして、それって本当に体は楽ですか?

実は、ポッコリお腹やO脚、腰や股関節の違和感に悩んでいる人ほど、
「姿勢を意識して頑張っている」ことがとても多いんです。

頑張っているのに、なぜか体はうまくいかない。
それは努力不足ではありません。

そもそも、
人間の体は“長時間じっと座り続ける”ようには作られていない
ここを見落としているだけなんです。


人間の体は「止まる」ために作られていない!

まず大前提として、ここを押さえておいてほしいです。

人間の体って、「良い姿勢でじっと座り続ける」ために作られていません。

これ、意外と見落とされがちなんですが、かなり重要なポイントです。

人間は本来、立って、歩いて
重心を前後左右に移動させながら生活する生き物です。

呼吸ひとつとってもそうですよね。
吸えば胸やお腹が広がり、吐けば縮む。
何もしなくても、体はずっと小さく動き続けています。

歩けば骨盤は前後左右に揺れますし、
立っているだけでも体は常にバランスを取り直しています。

つまり、人間の体は
「動きがあること」を前提に成り立っている構造なんです。

それなのに現代の生活はどうでしょうか。

・長時間のデスクワーク
・スマホを見ながら座りっぱなし
・電車、車、家でも座る

気づけば、1日の大半を“動かない状態”で過ごしている人がほとんどです。

しかも、その状態で
「姿勢を崩さないように」
「背すじを伸ばしたまま」
体を固め続けている。

これ、体からするとかなり無理をしています。

例えるなら、ずっと軽く力を入れたまま腕を上げ続けているようなものです。
最初は平気でも、時間が経てば確実に疲れますよね。

体もまったく同じです。

本来なら
動いて → 緩んで → また動いて
という流れがあるはずなのに、

「良い姿勢をキープしなきゃ!」と意識することで、緩むタイミングがなくなってしまう。

すると体はどうするか。

“動かなくなった部分の代わりを、別の場所で補おう”とします。

これが、後々
お腹が前に出たり
脚のラインが崩れたり
腰や股関節に違和感が出たりする
大きな原因になっていきます。

つまり問題なのは、
姿勢を意識することそのものではありません。

「動く前提の体に、止まり続けることを強要している」
ここにズレが生まれているんです。

このズレが積み重なった結果、ちゃんとしているのに体が崩れるという、ちょっと納得しづらい現象が起きてしまいます。

次の章では、
この“ズレ”が具体的にどうやって
ポッコリお腹やO脚につながっていくのかを、
もう少し踏み込んで説明していきます!


「良い姿勢をキープする」ほど、体はうまく動かなくなる

「姿勢を良くしよう」と思った瞬間、あなたの体の中では、ある変化が起きています。

背すじを伸ばす。
胸を張る。
骨盤を立てる。

このとき、多くの人は体を“整えている”つもりでいます。

でも実際には、体は少しずつ固まり始めていることがほとんどです。

最初は問題ありません。
むしろ「なんかシャキッとして気持ちいい!」と感じる人も多いはずです。

ただ、その状態が10分、30分、1時間…と続いていくと、話は変わってきます。

本来、体は
・動いて
・緩んで
・また動いて
を繰り返すことで、バランスを保っています。

ところが「良い姿勢をキープしよう!」と意識し続けると、
緩むタイミングがなくなってしまうんです。

すると、体の中でこんなことが起きます。

「ここ、もう動かないな…」
「じゃあ別のところで支えよう」

体はとても賢いので、動かなくなった部分の代わりを、必ずどこかで補おうとします。

その“補い役”に選ばれやすいのが、お腹や脚です。

背中や骨盤の動きが少なくなると、お腹を前に突き出すような形でバランスを取ろうとします。

すると、
・お腹に力が入りにくくなる
・下腹部が前に出やすくなる

いわゆる
**「ポッコリお腹が戻らない状態」**が作られていきます。

脚も同じです。

本来、体重は股関節を中心に受け止めたいところですが、
体が固まっているとそれがうまくできません。

結果として、
膝や足元でバランスを取ろうとし始めます。

この状態が続くと、脚の外側や内側に偏った負担がかかり、
少しずつ脚のラインが崩れていきます。

「特別なことは何もしていないのに、O脚っぽくなってきた」
そんな人は、この流れに心当たりがあるかもしれません。

ここで大事なのは、これが姿勢をサボった結果ではないということです。

むしろその逆。

姿勢を頑張りすぎた結果、体が別の方法で帳尻を合わせている
ただそれだけなんです。

つまり、ポッコリお腹やO脚は
「意識が足りないサイン」ではなく、
「固めすぎているサイン」

体が出している、かなり分かりやすいSOSとも言えます。

次の章では、なぜ「見た目は良い姿勢」なのに
体はどんどん崩れていってしまうのか。

見た目の姿勢と、体にとっての姿勢のズレについて、
もう少し深掘りしていきます。


見た目がいい姿勢と、体にとっていい姿勢は別物!

「でも、姿勢が悪く見えるよりは、ちゃんと伸ばしていた方がいいですよね?」

ここまで読んで、そう感じた人も多いと思います。

それも無理はありません。
姿勢が良い人って、それだけで清潔感があって、健康的でちゃんとして見えます。

だから私たちは、“見た目が整っている姿勢=体にいい姿勢”
だと思い込んできました。

でも実は、この2つはイコールではありません。

見た目がいい姿勢というのは、あくまで止まっている瞬間の評価です。

写真に撮ったとき、鏡で見たとき、
「お、姿勢いいじゃん!」と思えるかどうか。

一方で、体にとっていい姿勢というのは、
動きの中で評価されるものです。

動いたときにどうか。
重心を移動したときにどうか。
長時間続いたときにどうか。

ここが、ものすごく大事なポイントです。

たとえば、横から見たときに
耳・肩・骨盤が一直線にそろっている姿勢。

確かに、教科書的には「理想の姿勢」に見えます。

でも、その姿勢を
30分、1時間、2時間…
キープし続けられるでしょうか?

もし
「きつい」
「途中で崩したくなる」
「無意識に脚を組んでしまう」
そんな感覚があるなら、

それは、その姿勢が体にとって無理のある状態だというサインです。

体は正直です。

無理があれば、必ずどこかで逃げ道を作ります。

脚を組む
体をねじる
お腹を前に出す
背中を丸める

これらは“悪いクセ”ではありません。

体を守るための自然な反応です。

にもかかわらず、
「姿勢が崩れた!」
「また猫背になってる!」
と、無理やり正そうとするとどうなるか。

体はさらに固まり、逃げ場を失います。

結果として、見た目は一瞬きれいでも、
中身はどんどん苦しくなっていく。

これが、「ちゃんとしているのに不調が増える」正体です。

本当に体にとっていい姿勢は、見た目が完璧である必要はありません。

多少動いても、
多少揺れても、
また自然に戻れる。

そんな余白のある状態こそが、体にとっての“良い姿勢”です。


じゃあ姿勢は気にしなくていいの?答えはNOです!

ここまで読んで、
「じゃあもう姿勢なんて気にしなくていいってこと?」
と思った人もいるかもしれません。

結論から言うと、それも違います。

姿勢を気にすること自体は、全然悪くありません。
むしろ、まったく無関心なのもそれはそれで問題です。

ただし、多くの人がやっているのは
**“気にしすぎ”**なんです。

姿勢を
「守らなきゃいけないもの」
「崩しちゃダメなもの」
だと思いすぎている。

その結果、
・背中を固める
・お腹を引っ込め続ける
・動かないように耐える

こういう状態になってしまいます。

でも、体からすると「いやいや、ずっとそれはキツいよ…」という話です。

姿勢って、作るものじゃなくて
**“結果としてそうなっているもの”**なんです。

調子がいい日って、特別に意識しなくても自然と背すじが伸びていませんか?

逆に、疲れている日や余裕がない日は、どれだけ意識してもすぐ崩れます。

これって、意思の問題ではありません。
体のコンディションの問題です。

だから、「姿勢を良くしよう!」よりも先にやるべきなのは、

「この姿勢、無理してないかな?」
「固めすぎてないかな?」
と、体に問いかけてあげること。

姿勢は、頑張って維持するものではなく、
崩れても戻れる状態であることが大事です。

少し崩れて、
少し動いて、
また戻る。

この繰り返しができていれば、姿勢は勝手に“それなりに”整っていきます。

完璧を目指す必要はありません。

むしろ、完璧を目指すほど体は不器用になっていきます。


良い姿勢=固めることじゃない!

「良い姿勢」と聞くと、
つい
・背すじピン
・お腹キュッ
・動かない
みたいなイメージを持ちがちですよね。

でも、それ…だいたい全部やりすぎです。

体は、そんなに長時間ガチガチでいられるように作られていません。

よくあるのが、「お腹に力を入れて姿勢を保ちましょう!」というアドバイス。

言っていること自体は間違っていないんですが、
これをずーっと続けようとすると、だいたい失敗します。

なぜなら、力って入れっぱなしにするちゃんと使えなくなるからです。

最初は「よし、腹筋使えてる!」と思っていても、
時間が経つにつれて
・感覚が薄れる
・別のところが疲れる
・姿勢が崩れる

こういう流れになりやすい。

これは根性が足りないわけでも、意識が弱いわけでもありません。

体の仕組み的に、そうなってしまうだけです。

本当に体にとって良い状態というのは、力を入れられるけど、同時に抜くこともできる状態

ずっと踏ん張っている体より、必要なときにだけ働ける体のほうが、よっぽど安定します。

良い姿勢も同じです。

固めて作る姿勢ではなく、動いても崩れない姿勢

少し揺れて、
少しズレて、
それでも大きく破綻しない。

そんな“遊び”がある姿勢のほうが、体はずっと楽なんです。

ここまで来ると、「じゃあ、どう考えればいいの?」という疑問が出てきますよね。


姿勢は「守るもの」じゃなくて、結果として現れるもの

ここまで読んでくれた人は、
もうなんとなく気づいていると思います。

姿勢って、
「正そう!」
「キープしよう!」
と頑張った瞬間に、
だいたいおかしくなります。

逆に、
体の調子がいいときってどうでしょうか。

特別なことをしていなくても、
自然と背すじが伸びていたり、
呼吸が深く入ったりしますよね。

これって、
姿勢を“作った”わけじゃありません。

体がうまく働いた結果として、姿勢がそうなっているだけです。

つまり、
姿勢はゴールであって、
スタートではない、ということ。

姿勢だけを何とかしようとすると、
必ずどこかに無理が出ます。

でも、体がスムーズに動ける状態なら、
姿勢は放っておいても
それなりに整います。

多少崩れてもいいんです。
少し丸まってもいい。
脚を組みたくなる日があってもいい。

それはサボりではなく、
体が自分を守っているサインです。

大事なのは、
崩れないことではなく、
戻れること

固まって動けない体より、
動いて、戻って、また動ける体のほうが、
ずっと健康的です。

もし今、
「姿勢を頑張っているのに、体型が変わらない」
「ちゃんとしているのに、なんか不調」
そんな感覚があるなら、

それは努力不足ではありません。

ただ、
姿勢に対する考え方が、少しズレているだけです。

「良い姿勢=我慢」
から
「良い姿勢=動ける余白」へ。

この捉え方に変わるだけで、
体の見え方はかなり変わってきます。


まとめ:頑張るほど崩れるなら、考え方を変えよう

日本人は、世界的に見てもかなり座っている時間が長い国です。

そんな生活の中で、姿勢までガチガチに固めてしまえば、体に負担がかかるのは当然です。

ポッコリお腹も、O脚も、意識が足りないからではありません。

動けなくなった体が、別の場所で帳尻を合わせているだけ。

まずは「姿勢を正さなきゃ」ではなく、
「この姿勢、無理してないかな?」と考えてみてください。

姿勢は、守るものではありません。
体がちゃんと働いた結果として、あとからついてくるものです。

このコラムが、「姿勢」に対して少し肩の力を抜くきっかけになれば嬉しいです。