こんにちは!
パーソナルトレーニングジムKaid Fit武蔵境店の千葉です。
「セットポイント」という言葉をご存知でしょうか?
セットポイントはリバウンドに大きくかかわる重要な単語です。
この概念を理解するだけでリバウンドのリスクを下げることが出来るためしっかり理解しましょう!
セットポイントとは
人間の体には、を一定に体内の環境(体温や血圧、血糖)を保とうとする「ホメオスタシス」という仕組みが備わっています。
例えば、熱が出て一時的に38度台まで体温が上がってもやがて熱は下がり、平熱まで戻る機能です。
これは残念ながら体重にも適用され、体重も一定の値をキープしようとします。
この体重の値を「セットポイント」といいます。
つまり、現在体重が60キロほどの女性が頑張って55キロまで体重を落としたとしても、体はセットポイントである60キロに戻ろうとするということです。
では、どのようにして体は元の体重に戻ろうとするのでしょうか。
大きく分けて2つの理由があります。
①消費カロリーが減る
②満腹感を得られにくくする
それでは、詳しく解説していきます。
リバウンドを起こす体の仕組み
①消費カロリーが減る
カロリー制限をしていると、脳が体に指示し、体は食べた栄養素から効率的にエネルギーを取り出そうとするため基礎代謝量が低下してしまいます。
この状態で、ダイエットで痩せられた後、食事をダイエット前のものに戻してしまうと、カロリー収支がプラスになってしまい体重が徐々に戻ってしまうということです。
実は基礎代謝量が低いときは体温も下がります。
これは基礎代謝量が高いときは、取り入れた栄養素からエネルギーを取り出す際に余分な熱を放出するのですが、効率よくエネルギーを取り出せるようになると、余分な熱を発さなくなり体温が下がってしまうからです。
普段から自分の体温を記録しておくと、ダイエット中に代謝が落ちていないか知る目安になりますね。
②満腹感が得られなくなる
ヒトの体は十分な食事をとると、満腹を知らせるホルモンである「レプチン」が脂肪細胞から放出され、脳の視床下部から信号を送ることで満腹を感じられるようになっています。
ダイエットが進み体脂肪が減ると、困ったことに脂肪細胞はレプチンの分泌量を減らしてしまいます。
すると、ダイエット後は十分に食べてもなかなか満腹感が得られなくなり、食べ過ぎにつながり、元の体重に戻ってしまうというわけです。
このように体にはセットポイントという体の環境を一定に保とうとする強力な機能があるため、短期的に痩せることが出来ても、長期的に見ると元の体型に戻ってしまうということがあります。
セットポイントが下がらない原因
セットポイントが下がらない原因には以下の4つが考えられます。
①食事
②運動
③ストレス
④睡眠
これらに対してひとつずつ対策をとることでセットポイントを下げ痩せた体型を維持できるようになります。
①食事
精製された炭水化物は、肝臓のインスリン抵抗性を引き起こしセットポイントを上げます。
インスリン抵抗性とは、インスリンの効きが悪くなり、血液中の糖を細胞に取り込みにくくなる状態のことです。
肝臓や筋肉にインスリン抵抗性が見られれば、食事から摂取した糖が肝臓や筋肉に取り込めないため、膵臓は血糖値を下げるためさらに多くのインスリンを分泌します。
大量に分泌されたインスリンは脂肪細胞に働き、血液中の糖を体脂肪としてため込んでしまいます。(基本的に脂肪にはインスリン抵抗性はありません)
つまり、インスリン抵抗性が起ると、インスリンが大量に分泌され、太りやすくなるということです。
これがセットポイントが下がらない理由です。
なぜ精製された炭水化物(特に砂糖と果糖ブドウ糖液糖)がインスリン抵抗性を引き起こすのでしょうか。
それは吸収されやすい果糖が含まれているからです。
砂糖はブドウ糖と果糖が50%ずつ
果糖ブドウ糖液糖は果糖が50%~90%、それ以外がブドウ糖で作られています。
ブドウ糖は脳や筋肉などでエネルギーとして使われますが、果糖は肝臓でしか代謝されません。
そのため、吸収されやすい果糖をとると大量の果糖が肝臓に送られ、肝臓でエネルギーとして使われなかった果糖は肝臓に脂肪として蓄えられます。
これによって肝臓がインスリン抵抗性を引き起こしてしまうことになります。
つまり、砂糖や果糖ブドウ糖液糖といった精製された炭水化物をとりすぎないことがセットポイントを下げるためには有効になります。
②運動
運動不足になると筋肉にインスリン抵抗性がみられ、食事から摂取した糖を筋肉に送り込みにくくなります。
つまりインスリンがより多く分泌され、体脂肪が増えやすくなり、セットポイントが上がります。
インスリンが大量に分泌されるようになると、「お腹いっぱいだ」と知らせるシグナルが脳に伝わりにくくなり、十分に食事をしているつもりでも、満腹感が得られにくくなります。
このように長期的な視点では、しっかり運動習慣をつけて筋肉のインスリン抵抗性を改善することも理想の体型の維持には重要といえます。
③ストレス
慢性的なストレスは「コルチゾール」を分泌しセットポイントを上げてしまいます。
人はストレスを感じるとコルチゾールというホルモンを分泌します。
コルチゾールが分泌されると、体は筋肉に糖を送り込み、さらに筋肉を分解してそこから糖を作り出そうとするため血糖値が上昇します。
その後、ストレスが緩和されるとコルチゾールの分泌が減り、血糖値が元に戻ります。
この反応は一時的なら問題はないですが、慢性的にストレスを感じるとコルチゾールが分泌され続けてしまいます。
すると血糖値が高いままになってしまいインスリン抵抗性を生じてしまい、セットポイントを上昇させてしまいます。
さらに人はストレスがたまると、高カロリーなものを食べたくなる傾向があります。
なぜかというと、砂糖や脂質の組み合わせは快楽物質であるドーパミンを分泌させ、快楽を感じることが出来るからです。
つまり日々のストレスを緩和することがセットポイントを下げるためには重要といえます。
④睡眠
睡眠不足はセットポイントを上昇させます。
なぜかというと、コルチゾールの分泌量が増えるからです。
ある研究によると、一晩徹夜すると血中のコルチゾールが2倍以上に増加するという結果があります。
コルチゾールが増えるということは、前述のストレスと同様にインスリン抵抗性の原因となります。
また睡眠不足になると摂取カロリーが上昇することが報告されています。
原因としては、「お腹いっぱいだ」と脳に知らせるレプチンが減少し、逆に空腹を知らせるホルモンのグレリンが増加することや
睡眠不足になると果物や野菜の摂取量が減り、スナック菓子のようなカロリー密度が高い食品を欲するようになること
単純に起きている時間が長いため、食事をする機会が増えることなどがあげられています。
つまり睡眠時間が短い方が太りやすいのはこのような原因があります。
まとめ
セットポイントを上げる原因は以下の4つの中にあります。
①食事
②運動
③ストレス
④睡眠
セットポイントが上がっていしまった原因は異なるので、まずは自分の原因を見つけそれに合わせた対策をとることが重要になります。
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